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《魚調理のコツ》においや食べづらさを軽減する

2020.10.02

治療の影響により、魚のにおいが気になったり小骨が食べづらくなったりするなどして、魚料理を食べる機会が減ったという声を聞きます。肉と比べて下処理や調理の手間がかかることも魚が敬遠される理由のひとつかもしれません。
栄養面では、タンパク質やカルシウムのほか、コラム「やせないために、積極的に摂りたい栄養素とは」で、がん患者さんの体重減少をできるだけ最低限に抑えられるように積極的に摂りたい栄養素としてご紹介した、不飽和脂肪酸のDHAEPAなども豊富に含みます。

今回は、魚を手軽においしく食べられるように、魚のにおいを軽減するコツや、魚の種類別に食べやすい調理法を解説していきますので、ぜひ、毎日の食事作りにお役立てください。



魚料理を遠ざける大きな原因のひとつが、魚特有の生臭い「におい」ではないでしょうか。まずは、気になるにおいを軽減する下処理や調理のしかたを5つご紹介します。

1.しっかり水洗いをする
丸ごとの魚を買ってきたら、うろこ、内臓を取って、血合いを流水でしっかり洗い落としましょう。水分をキッチンペーパーでよく拭き取って、冷蔵庫に保存します。魚は内臓から腐敗が進むので、新鮮なうちに取り除いてきれいに洗うことが、生臭さを残さないコツです。魚をさばくのが難しい方は魚屋さんにお願いするか、切り身の魚を買うとよいでしょう。切り身の場合は、洗わずにキッチンペーパーで表面の水分をふき取って下さい。

2.塩をふる、酒をかける
生魚を調理する前に塩をふってしばらく置くと、水分と一緒に臭みも出てきます。魚から出た水分をキッチンペーパーでふき取れば、生臭さをとり除くことができるでしょう。

干物や塩サバなど塩気がある魚の場合は酒を軽くふってから調理をすると、魚の臭みを抑えながら身をふっくらと焼き上げることができますが、塩やしょうゆに苦みを特に強く感じる方は、干物や塩気の強い魚は控えてください。何を食べても苦い場合は、生魚を薄味で調理して、みりんや酒、バターやマヨネーズなどを使ってコクを出すと食べやすくなるでしょう。

▽おすすめレシピ「マグロのカレーマヨネーズ焼き」
https://kama-aid.com/recipe/5589

3.熱湯をかける(霜降り)
サバやブリなどは、煮る前に熱湯をかけて軽く湯通しする(「霜降り」といいます。)ことで臭みやぬめりをとり除くことができます。表面が白っぽくなるまで熱湯をかけて、キッチンペーパーで水気をふき取りましょう。

4.レモンをかける、酢につける
刺身やカルパッチョなどの生魚は、レモンやゆずなどのかんきつ類の果汁をふりかけると臭みが抑えられ、吐き気がするときにもさっぱりと食べやすくなるでしょう。しめさばや南蛮漬けなどのように酢につけても、同様の効果が期待できます。

▽おすすめレシピ「かつおステーキのレモンタルタルソースがけ」
https://kama-aid.com/recipe/5816

5.香味野菜を合わせる
魚を調理する際に、ねぎやしょうがなど臭みを消す効果のある香味野菜を合わせるのもおすすめです。煮魚にしょうがを入れたり、魚の酒蒸しにネギソースをかけたりすることで、魚のにおいを抑えることができ、食べやすいでしょう。

1.イワシ・アジ
イワシアジなどの青魚は、カルシウムや飽和脂肪酸のEPADHAが豊富に含まれており栄養効果が高いといわれていますが、小骨が多く、噛むのがつらいときや飲み込むのがつらいときには食べづらさを感じることも。包丁で細かくたたくか、フードプロセッサーでペースト状にしてから調理すると、小骨が多い魚も食べやすくなるでしょう。

▽料理例
つみれ汁、魚ハンバーグ、たたき(なめろう)など
▽おすすめレシピ「イワシのさんが焼き」
https://kama-aid.com/recipe/739

2.サバ
サバは、焼く、煮る、酢締め、など色々な調理法で楽しむことができ栄養も豊富です。青魚特有の臭みは、味噌煮や竜田揚げなど濃い目の味付けにすることで抑えられ、食べやすくなるでしょう。焼サバの場合、レモンや大根おろし、ネギなどを合わせるとにおいが軽減します。下処理の手間を省くなら、サバの水煮缶を使うのもおすすめです。 

▽料理例
味噌煮竜田揚げ、しめさば、水煮缶の味噌汁など
▽おすすめレシピ「さばのカレー竜田揚げ」
https://kama-aid.com/recipe/219

3.サケ
サケは年中手に入りやすく調理もしやすいことから、幅広いアレンジができる魚です。塩気が強すぎるものは塩をひとつまみ入れた水に12時間漬けて塩抜きをすると、塩分を控えたい方も安心して食べられます。生臭さは少ないですが、気になる場合はバターやマヨネーズ、チーズなどを使った調理法がおすすめです。酢につけたりレモンをかけたり、ハーブや香辛料を使ったりするのもにおいの軽減に役立ち、より食べやすくなるでしょう。また、片栗粉やくずなどでとろみをつけたあんをかけたレシピは、飲み込むのがつらい時にも役立ちます。

▽料理例
バタームニエルマヨネーズ焼き南蛮漬けなど
▽おすすめレシピ
①「鮭の南蛮漬け」
https://kama-aid.com/recipe/5692
②「鮭とブロッコリーのきのこあんかけ」
https://kama-aid.com/recipe/5854

4.タラ
白身魚のタラは、高タンパク低カロリーで消化しやすく、下痢などの不調があるときにも負担なく食べられる魚です。クセが少なく食べやすいですが、下処理をしないと臭みが気になることがあります。生のタラは塩をふってしばらくおき、水気をふき取ってから使いましょう。

▽料理例
鍋料理ブイヤベース、照り焼き、フリッターなど
▽おすすめレシピ「たらとじゃがいもの豆乳チャウダー」
https://kama-aid.com/recipe/5247


■まとめ
魚のにおいや小骨が気になって食べづらいという場合は、今までより少し下処理をていねいにして調理方法を工夫することで、魚料理が食べやすくなるでしょう。また、調理が面倒で食べる回数が減っている場合には、魚の缶詰や下処理済みの冷凍魚を使うことで手軽に調理できます。魚料理をおいしく食べて、体調管理に役立てましょう。

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