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【プレミアム記事】胃腸にやさしい「おかゆごはん」のすすめ方②
2020.01.24
退院後の食事シリーズ後編は「軟飯」について。
軟飯の作り方や炊き加減の目安、保存方法などの解説と、簡単にできるアレンジレシピをご紹介します!
▶前編 胃腸にやさしい「おかゆごはん」のすすめ方① はこちらから
<退院後2週間~2、3ヶ月頃>
退院後2週間から2~3ヶ月頃は、食事のリズムが整い少しずつ食欲も出てくる時期です。おかゆを食べることに慣れてきたら、エネルギーを確保するために軟らかく炊いたごはん「軟飯」をよく噛んで食べるようにしましょう。2ヶ月頃を過ぎ、軟飯を問題なく食べられるようになったら通常のごはんにします。
軟飯の炊き方
軟飯は、米1:水2の割合で炊きます。
生米から炊く基本の軟飯と、炊いたごはんを使う時短バージョンの作り方を説明します。
(1)基本の軟飯(お米から炊く)
出来上がり量の目安:お茶碗2杯分(約400g)
<材料>
米 150g
水 300cc
<作り方> 浸水時間 30分+調理時間約40分
① 米は洗い、水を切って鍋に入れ分量の水を加えて30分ほどひたしておく。
② ふきこぼれないように箸をかませてふたをし、強火にかける。煮立ったら、とろ火程度の弱火にして20~30分ほど炊く。
③ 火を止めてふたをしめ、8分ほど蒸らしてさっと混ぜる。
<ポイント>
・おかゆと比べて水が少なく焦げつきやすいので、火加減に気をつけましょう。
・炊き加減の目安は、米粒がしっかりと残っていて見た目はふつうのごはんと変わりませんが、やわらかく少しべったりとした状態です。
・軟飯は、鍋で米から作るとふっくらとおいしく作ることができます。焦げつきなどが心配な場合は、炊飯器で水を多めにしてやわらかく炊くのもおすすめです。
(2)時短バージョンの軟飯(ご飯から炊く)
出来上がり量の目安:お茶碗2杯分(約400g)
<材料>
炊いたごはん 150g
水 100cc
<作り方> 調理時間 約20分
① 鍋にごはんと水を入れてかき混ぜ、強火にかける。煮立ったらとろ火程度の弱火にして、ふたをずらして、5分ほど蒸し煮にする。
② 火を止めてふたをしめ、10分ほど蒸らしてさっと混ぜる。
<ポイント>
・焦げつきやすいので、火加減に気をつけましょう。
・症状に合わせて水分量を調整して、お好みの硬さに仕上げて下さい。
(3)電子レンジでもっと手軽に
軟飯を炊く時間が無い時や、1人分だけすぐに作りたいときは、電子レンジを使えばさらに短時間で手軽に作ることができます。
出来上がり量の目安:お茶碗1杯分(約200g)
<材料>
ごはん 100g
水 50cc
<作り方> 調理時間 約5分
耐熱容器にごはんと水を入れて混ぜ、ふんわりとラップをかけて電子レンジ(600w)で3分ほど加熱し、電子レンジからとり出してさっと混ぜ合わせる。
軟飯の保存方法
軟飯は作りたての温かいうちに、1食分ずつラップに薄く広げて包み、冷凍します。
なるべく薄く包むことで急速に冷凍ができ、おいしさが保てます。
冷凍保存する際の注意点
・軟飯は、常温に置いておくと腐りやすく風味も落ちるので、作ったらすぐに冷凍しましょう。
・一度口をつけたものは雑菌が繁殖しやすいので、冷凍保存しないでください。
・フリーザーバックや保存容器、スプーンなどは清潔なものを使いましょう。
解凍は電子レンジで
・ラップに包んだ軟飯は、電子レンジで2~3分ほど加熱しましょう。
(加熱時間は、ご飯の量や電子レンジの機種によって適宜調節して下さい。)
保存期間の目安
冷凍した軟飯は2週間以内を目安に、早めに食べ切るようにしましょう。
<軟飯のアレンジレシピ>
カマエイド掲載レシピの中から、おすすめのアレンジレシピをご紹介します。
【炊飯器でつくるトマトリゾット】
トマト缶を使って炊飯器で簡単に作れるトマトリゾット風の軟飯です。
白いおかゆや軟飯に飽きてきた頃に、新鮮で食欲がわくレシピです。
https://kama-aid.com/recipe/3374
【豆腐ソースの和風ドリア】
豆腐で作ったホワイトソースをごはんにかけて、トースターで焼くみそ味の和風ドリア。
水分の多いソースでごはんがやわらかくなり、口内炎などがあっても食べやすいレシピです。
https://kama-aid.com/recipe/3969
【しらすと大葉の軟飯おにぎり】
大葉やごまを入れることで、冷めても風味よく食べられます。
分食にもおすすめです。
https://kama-aid.com/recipe/5411
<まとめ>
退院後すぐから2~3ヶ月頃までは、食事のリズムや食欲を取り戻し、健康を回復するための大切な時期です。主食のごはんは、体を動かすためのエネルギー源になる炭水化物を豊富に含み、回復期の栄養補給には欠かせません。消化機能や嚥下機能の回復に応じて、おかゆ、軟飯、ごはんへと無理なく進めていきましょう。おかゆや軟飯を食べる時期は、あくまでも目安で、個人差があります。それぞれの症状に合わせて、食べやすい状態のごはんをおいしく食べて、体力回復を目指しましょう。