- プロのひと工夫
旬の野菜をおいしく食べよう! ~夏・秋~
2020.07.24
春夏秋冬それぞれの旬の食べ物は美味しいだけでなく、その時期に必要な栄養素の摂取にも効果的です。治療中、食事に関してお悩みの場合にも、使う食材に変化を与えることで季節を感じる食卓づくりができ、見た目にも食欲を刺激し食事を楽しむことができるでしょう。
今回は「旬のもの」を食べる良さについてお伝えするとともに、夏と秋のおすすめ「旬の食材」をピックアップしています。以前ご紹介したコラム《盛り付け上手》季節を感じる工夫と合わせて、食事を楽しむヒントとしてお役立てください。
■旬の食材の良さ
①価格が安い
季節外れの食材は、ハウス栽培による光熱費や遠方からの輸送費など生産コストが高くなりがちです。旬の食材は収穫量が多く、余計な維持費がかからないことから価格が抑えられています。
②おいしさ
香りや旨味などが豊富で、濃い味わいを楽しむことができます。少ない調味料でも十分に料理が引き立ち、味を感じにくいときにも役立つでしょう。
③栄養価が高い
旬の時期には食材が最も成熟し、栄養価が高くなります。例えば、トマトは夏にカロテンの含有量が高く、少ない時期と比較すると約2倍にもなります。旬の食材を活用して、効率的に栄養を摂取しましょう。
出典: e-ヘルスネット トマトのカロテン含有量の月別比較
■季節ごとの旬の食材
・トマト
抗酸化作用を持つリコピンやカロテンを含み、感染症に対する抵抗力や免疫力の低下が気になるときにもおすすめです。トマトのさわやかな酸味は、食欲がないときや吐き気がするときにも食べやすいでしょう。
◇トマトを使ったレシピはこちら
・枝豆
栄養面で大豆と野菜の両方の良さを持っています。良質なたんぱく質が豊富で、葉酸やビタミンB1、カリウムも含むことから、貧血でお悩みの方にもおすすめの食材です。
◇枝豆を使ったレシピはこちら
・きゅうり
ナトリウムの排出を助けるカリウムを含むため、高血圧が気になるときにもおすすめです。また、水分が多く、口が渇くときにも役立つでしょう。
◇きゅうりを使ったレシピはこちら
・かぼちゃ
野菜の中でも糖質が多く、少量で栄養をつけたい方におすすめの食材です。抗酸化作用を持つカロテンやビタミンE、Cも豊富に含んでいます。噛むのがつらい方や飲み込むのがつらい方向けのアレンジも豊富です。
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・なす
皮にはナスニンという抗酸化作用を持つ色素成分を含んでいます。ナスニンは水に溶け出しやすいため、揚げ物にすることで効率よく摂取できるでしょう。
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・さつまいも
炭水化物を多く含み、加熱してもビタミンCの損失が少ない特長があります。不溶性食物繊維も豊富で、便秘でお悩みの方にもおすすめです。
◇さつまいもを使ったレシピはこちら
・しいたけ
不溶性食物繊維が豊富です。うま味成分のグアニル酸を含み、汁物などに活用することで風味良く仕上がります。低カロリーで、満腹感を得るのに役立つ食材のひとつです。
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・長芋
長芋に含まれる消化酵素のジアスターゼは、消化を助けるのに役立つといわれています。熱に弱いので、生ですりおろして使うと良いでしょう。自然なとろみがつき、飲み込むのがつらいときにも役立ちます。
◇長芋を使ったレシピはこちら
・りんご
水溶性食物繊維のペクチンを含み、腸の調子や便通を整える効果が期待できます。酸味成分であるリンゴ酸やクエン酸などの有機酸は、疲労の回復に役立つといわれています。りんごのさっぱりとした酸味は、食欲がないときにも食べやすいでしょう。
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・ゆず
ビタミンCが豊富で、香り成分リモネンにはリフレッシュ効果があるといわれています。さわやかな酸味と香りが食欲を刺激するでしょう。味がしない方にもおすすめです。
◇ゆずを使ったレシピはこちら
■まとめ
最近では一年中食べられる食材も多いですが、旬の食材は栄養だけでなく旨味や香りも格別です。季節を感じる食卓は目から食事を楽しむことにもつながり、食べる意欲を引き出してくれます。冬・春編は12月頃お届けする予定です。お楽しみに!
【参考文献】
・e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-03-020.html
・農林水産省 子どもの食育
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/kodomo_navi/learn/seasons1.html