プレミアムサービスの無料開放のお知らせ

詳しくはこちら
  • プロのひと工夫

栄養補助食品をはじめよう!

2019.12.10

がんの治療中、術後や副作用の影響から、食事に悩みを抱える方は少なくありません。エネルギーや栄養素の不足は、体重減少の要因となり、場合によってはその後の治療に影響を与えることもあります。

そのような食事量が取りづらい時期は、気軽に「栄養補助食品」を取り入れてみましょう。

栄養補助食品とは、不足しがちなエネルギーやたんぱく質、各種栄養素などを強化した食べ物です。効率よく栄養が摂取できるので、食欲不振時の強い味方になってくれるでしょう。近年では、味も改良され、バリエーション豊かになっています。

今回は、意外と身近に手に入る栄養補助食品についてご紹介します。

<栄養補助食品はここが良い!>

栄養補助食品を使うメリットを一緒に考えてみましょう。

① 必要な栄養素を補える

栄養補助食品は、各種栄養素がバランスよく配合されたものから、エネルギーを強化したもの、たんぱく質を強化したものなどさまざまな種類があるので、不足している栄養素に合わせて選ぶことができます。とくに少量で高エネルギーの食品が多いのが特徴で、食欲不振時にも無理なく食べられるでしょう。また、ゼリーや飲料、スープなどのどごしがよいものが中心のため、様々な年代の方でも安心です。

② 食事量へのプレッシャーを軽減

栄養補助食品を併用してカロリーや栄養価を補うと、1食に提供する食事量を減らすことができるというメリットもあります。たくさん食べなければならないというプレッシャーが減り、出された食事を食べきれる気持ちにもなってもらいやすくなります。

③ 手軽にすぐ食べられる

調理がいらないものがほとんどのため、パッケージを開封したらすぐに食べられます。「今なら少し食べられそう」など、体調に合わせたタイミングでの食事にも最適です。甘いものからおかず味のものまで数多く販売されているため、好みのものをみつけてみましょう。

④ 作り手の負担軽減に

たくさんの種類や工夫を凝らしたメニューを毎回用意するのは大変なことです。ただ、栄養補助食品を使う=手抜きになるのでは…と悩む方も、多くいらっしゃることでしょう。特に、食事作りを家族の方が担われている場合、そのような悩みを抱えることも少なくありません。

栄養補助食品は、何らかの理由で栄養が十分に摂れない人のために開発されたもの。実際、多くの病院でもがん患者さんの食事に栄養補助食品を提供しています。少量でも効率よく栄養が摂取できるのであれば、使わない手はありません。まずは、補食としての活用も良いですし、食べる側も慣れてきたら、一品を置き換えて使用するのも良いでしょう。

栄養補助食品の使用は、決して手抜きではありません。患者さんがしっかりと体力をつけるためにも、上手に活用しましょう。

<栄養補助食品の進め方>

栄養補助食品は、基本的に食事と併用して摂取することをおすすめします。重度の食欲不振時には栄養補助食品しか食べられないときもあるかもしれませんが、できる限り、普通の食事を取り入れることも大切です。栄養補助食品にはさまざまな栄養素が含まれていますが、噛み応えがないものがほとんど。適度な固さがある食べ物を口に入れて咀嚼することで、食欲増進のきっかけになることもあるのです。少量でもいいので、普通の食事と組み合わせて栄養補助食品を取り入れてみてくださいね。

<選び方のポイント>

現在、多くのドラッグストアや調剤薬局、スーパーでも栄養補助食品が手に入るようになりました。おかずとして食べられるものから、おやつや飲み物として手軽に摂取できるものもあります。

ジュースやスープなどのドリンクタイプは水分補給を兼ねることもできますし、ゼリーなどの固形タイプは水分の飲み込みが難しい方にも取り入れやすいでしょう。味や食感など、患者さんのお好みも様々でしょうから、少量で購入し、お気に入りの一品を見つけるものいいかもしれません。

一方で、店頭販売している種類には、まだかぎりがあります。栄養補助食品を日常的に取り入れていると、同じものでは飽きてくることも。ほかの種類の栄養補助食品を手に入れたいときは、通販や専門店も合わせて利用するとよいでしょう。

また、栄養補助食品を初めて利用する場合や、何を選んでいいのかわからない場合は、かかりつけ医に相談しましょう。その上で、管理栄養士に適切な栄養補助食品を選んでもらうとよいでしょう。管理栄養士は病院や薬局などにいるので、栄養補助食品選びに迷ったらぜひ頼ってみてくださいね。

<栄養補助食品をアレンジしよう>

栄養補助食品をそのまま食べてももちろんよいのですが、ひと工夫するとよりおいしく食べられます。

① ゼリータイプの栄養補助食品

甘いゼリータイプのものは、凍らせるとシャーベットのような食感に。また、溶かして泡立てた生クリームと合わせると、ムースになります。おかず味のものは、温めて溶かすとスープに。食感に飽きてきたとき、ひと手間加えると新しい感覚を味わえます。

② ドリンクタイプの栄養補助食品

味の濃いものや甘いものがお好きな場合、温めたドリンクタイプの栄養補助食品にチョコレートを1かけプラスしてみましょう。美味しいチョコレートドリンクが出来上がります。また、おかず味のドリンクにごはんを混ぜ、上からチーズをかけて焼くとドリア風にもアレンジ可能です。ほかにも、フレンチトーストの卵液を作るときや、パンケーキを作るときに牛乳と置き換えれば、栄養価がアップした食事を作れますので、是非お試しください。

<まとめ>

栄養補助食品は、少量で不足しがちなエネルギーやたんぱく質などが補給できる優れものです。がんの治療中は、しっかり栄養補給をして体力をつけることが大切です。食事が食べられなくて困っているとき、ぜひ栄養補助食品を取り入れてみてください。

参考URL

●エイヨウショクヒン.コム「がん治療の栄養療法」より

https://www.eiyosyokuhin.com/html/page9.html

●一般社団法人日本訪問歯科協会「咀嚼(噛むこと)の重要性」より

https://www.houmonshika.org/oralcare/c67/

●明治栄養ケア倶楽部 栄養ケア情報「栄養調整食品の活用」より

https://www.meiji.co.jp/meiji-eiyoucare/knowledge/malnutrition/010.html

●TERUMO「テルミールを使ったレシピ」より

https://www.terumo.co.jp/consumer/guide/foods/terumeal_recipe/index.html

クラウドファンディング SPECIAL THANKS
ページトップへ戻るボタン