- プロのひと工夫
包丁を使わない調理をしよう
2018.08.27
がん疾患の治療は、副作用により握力の低下や手のしびれなどが発生し、包丁を使用しての調理にお悩みの方も多いと言われています。そんなときは、安全に使いやすい調理器具を用いてみましょう。今回は、ご家庭にも馴染みのある、ピーラーとキッチンバサミの活用方法をご紹介します。簡単に切れるだけでなく、見た目や食感などにもひと工夫が加わり、楽しみながら調理することができます。
POINT.1ピーラーを使おう
ピーラーは野菜の皮を剥くだけでなく、人参やきゅうりなど細長い野菜を薄く切るときに使うのも便利です。炒め物などを作るときにも火が通りやすく時短調理につながります。
ピーラーのあて方で幅や長さも変えられるのでメニューによって調整してみてください。
ピーラーで作れるにんじんのマリネをご紹介します。
固くて包丁で切るのが大変なにんじんもピーラーを使えば簡単に調理することができます。
彩りも良いので、あと一品欲しいときにオススメです。
【ひらひらにんじんのマリネ】
材料(2人分)
にんじん 1/2本
塩 小さじ1/4
砂糖 小さじ1/2
オリーブオイル 小さじ1/2
酢 大さじ1
ピンクペッパー 適量(無くても可)
① にんじんは皮をむき、ピーラーでリボン状に薄くスライスする。
② 塩でもみ水気をしぼり、砂糖、オリーブオイル、酢を和える。
③ 皿に盛り、ピンクペッパーをトッピングする。
ピーラーで薄く切ることによって柔らかくなりやすく、味もよくからみます。きゅうりや大根などでもお試しください。ピーラーでスライスする際、ボウルに直接入れていくと洗い物を増やさずにすみます。手を切るのが心配な方はまな板に人参を置いて、片手で押さえピーラーをあてスライスしてみてください。
POINT.2 キッチンバサミを使おう
キッチンバサミは食材の入った袋を開けたりするのに使う方が多いと思いますが、包丁の代わりに食材を切るのにも適しています。
柔らかい野菜、ほうれん草などの葉物やきのこ類、ピーマンやいんげんなどは切りやすいでしょう。
また、肉や魚の下処理に使うこともできます。
生の肉や魚を調理したまな板と包丁はしっかりと洗って殺菌しなければなりませんが、パックの上でキッチンバサミでカットすれば洗う手間も省けます。
【鶏肉の味噌炒め】
(2人分)
鶏もも肉 1枚
ピーマン 3個
ごま油 小さじ1
<合わせ調味料>
味噌 大さじ1と1/2
みりん 大さじ1
しょうゆ 小さじ1
砂糖 大さじ1
① ピーマンはキッチンバサミでへたのまわりを1周するようにぐるりと切りこみを入れる。ヘタと種をとる。
② たてにハサミを入れ4等分し、一口大の乱切りにする。
③ 鶏もも肉はキッチンバサミでスジを切り、余分な脂肪を切り取る。
④ 食べやすい大きさに切る。
⑤ 温めたフライパンにごま油をしき、ピーマンをさっと炒める。皿に取り出しておく。
⑥ 同じフライパンで鶏肉を炒める。火が通ったら混ぜておいた合わせ調味料を加え、汁気をとばしながら炒める。
⑦ ⑤のピーマンをフライパンに戻し調味料をからめ、火を止める。
ピーマンは先に油で炒めておくことで色鮮やかに食感も良く仕上がります。
赤や黄のパプリカを加えるとより彩り良くなるでしょう。
鶏肉を切ったハサミは熱湯をかけ、消毒してください。
【まとめ】
今回はピーラーとキッチンバサミの活用方法をご紹介しました。料理は工夫次第でより簡単に時間短縮することができます。手に力が入りづらいなど、日によって体調も変化することがあります。その際は無理をせず、カット済みの食材を購入するなど、上手に活用してみましょう。
なお、ピーラーやキッチンバサミは、使いやすいものや持ちやすく工夫のされたものもたくさん販売されています。ご自分に合ったキッチンツールを探してみるのも良いですね。簡単に楽しく調理できますように。