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  • プロのひと工夫

《肉料理》やわらかくする基本 Ver.2

2018.06.08

前回の記事では、硬くなりがちなお肉料理を軟らかく仕上げるための調理のコツを3つほどお伝えしました。今回は、身近な食材の力を借りてお肉を軟らかくする方法をお伝えします。ポイントは、「プロテアーゼ」と「酸」です。ぜひご参考ください。

POINT① プロテアーゼ(タンパク質分解酵素)を含む食材を活用する

植物の中に存在するプロテアーゼという酵素は、タンパク質を分解する働きをもつため、お肉を軟らかくする効果があります。

【プロテアーゼを含む食材の例】

・舞茸

・玉ねぎ

・生姜

・納豆

・パイナップル

・キウイフルーツ

プロテアーゼは熱によってその働きを失ってしまうので、上記の食材は生のまま使用する必要があります。そのため、工場で加熱されている缶詰のパイナップルのようなものには、お肉を軟らかくする効果はないので注意しましょう。

プロテアーゼは、植物の細胞を壊した方がよく働きます。細かく刻むか、あるいはすりおろしてお肉と合わせると効果が発揮されやすくなります。

【おすすめレシピ①】

舞茸と鶏モモ肉の照り焼き

プロテアーゼを含む舞茸の効果で、鶏肉を軟らかく調理。

<材料(2人分)>

・鶏もも肉 1枚

・舞茸 1パック

・長ネギ 1本

・サラダ油 大さじ1

[合わせ調味料]

・醤油 大さじ2

・砂糖 大さじ1/2

・みりん 大さじ1.5

・酒 大さじ1.5

<作り方>

① 鶏肉は一口大に切り、舞茸は手で裂き、合わせて冷蔵庫に置いておく(1時間以上~半日程度)。

② 長ネギは斜め薄切りに切る。

③ サラダ油をひいたフライパンに①、②を入れて炒め、火が通ったら合わせ調味料を加えてからめる。

④ 器に盛り、完成。

<ワンポイント>

合わせ調味料も含め、すべての材料を密封できる袋に入れ、冷凍しておくのもおすすめです。

後日調理する際には、まず電子レンジで解凍し、そのままフライパンに入れて同様に焼いてください。

【おすすめレシピ②】

玉ねぎたっぷり 焼かない生姜焼き

生姜のプロテアーゼ+豚バラ肉を使用+焼かずに煮詰める、といった3つのポイントでとても軟らかい生姜焼き

<材料(2人分)>

・豚バラ肉 250g

・生姜 1片

・玉ねぎ 1/2個

[合わせ調味料]

・水 150cc

・醤油 大さじ1

・みりん 大さじ1

<作り方>

① 豚肉は食べやすい大きさに切る。生姜をすりおろし、汁ごと豚肉と一緒に合わせて冷蔵庫に置いておく。(1時間以上~半日程度)

② フライパンに①と、千切りにした玉ねぎ、合わせ調味料を入れて、蓋をして加熱する。

③ 豚肉に火が通ったら、蓋を外し、調味液を煮詰めていく。汁気がほとんどなくなったら完成。

<ワンポイント>

こちらも上記の鶏肉のレシピと同様、水以外の材料を全て袋に入れて冷凍しておくと便利です(水は調理するときに加えてください)。

冷凍の状態ではプロテアーゼの効果はあまり見込めないので、1時間は冷蔵庫に置いておき、その後冷凍庫に入れるのがおすすめです。

POINT② 酸性の食品で肉を漬け込む

酸性の食品で肉を漬け込むと、2つの理由で肉が軟らかくなります。1つ目は酸性にすることで肉の保水性が高まるため。もう一つは、肉に内在する酸性プロテアーゼが活性化し、筋肉を構成するタンパク質が分解するためです。

【漬け込むのに向いている酸性食品・調味料】

・ヨーグルト

・お酢(米酢、リンゴ酢、黒酢など)

・レモン汁

・ワイン(白・赤)

・日本酒(料理酒も同様)

・果汁ジュース(リンゴ、オレンジなど)

有名な活用方法は、フランス料理の「マリネ」で、これは加熱前に肉をワインや酢で漬け込む調理方法です。マリネすることでお肉が酸性になり、加熱後にとても軟らかく仕上がります。

【おすすめレシピ③】

鶏肉のまろやかヨーグルトカレー

<材料(2人分)>

・鶏もも肉 1枚

・ヨーグルト 100cc

・ナス 2個

・しめじ 1/2パック

・トマト 1個

・温かいご飯 2杯分

[合わせ調味料]

・ケチャップ 大さじ3

・カレー粉 大さじ1

・塩 小さじ1/4

<作り方>

①鶏肉を一口大に切り、密閉できる袋に入れてヨーグルト、合わせ調味料を加えて漬け込む。冷蔵庫で1時間以上~半日程度置いておく。

②鍋に①と、乱切りにしたナス、根元を除いたしめじ、細かく刻んだトマトを加える。水を1カップ程度加え、蓋をして煮込む。材料に火が通ったら蓋を外し、少し煮詰める。

③器に温かいごはんと②のカレーをよそい完成。

予めヨーグルトで漬け込むことによって、チキンがとても軟らかく仕上がります。

ヨーグルトとトマトのカレーベースは、自然にトロッとしているのでカレールウは使わなくても大丈夫です。脂質の量を抑えたい方にもおすすめの一品です。

 

■まとめ

お肉料理は、調理方法の工夫や、他食材の力をうまく利用することで、やわらかい食感に仕上げることができます。咀嚼や口腔内のお悩みがあるときは「噛めない」と敬遠してしまいがちな肉料理も、一工夫で美味しく召し上がれますね。昔はよく食べていたけど今では…と諦めていた方にも是非チャレンジしてみてほしいです。少しでも悩み解消につながりますように。

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