「大腸の手術後」の食事について
がん患者さんが抱える悩みの一つに「食事の悩み」があり、「治療的影響」「心理的影響」「体力の影響」が原因と言われています。手術や抗がん剤治療、放射線治療など治療方法によっても食事への影響が異なります。悩みを抱えている方も多いと思われる「大腸の手術後」の食事について解説します。
<監修>
大妻女子大学 家政学部教授 がん病態栄養専門管理栄養士 川口美喜子 先生
大腸の手術後に起こりうる悩み
- ・水分の多い軟便や下痢
- ・便が頻繁に排出される頻便
- ・水分や電解質の吸収障害
- ・ガスのにおいの対策(ストーマ装着の場合)
- ・腸閉塞になる場合がある
便やガスに影響が出やすい食品
- 便の症状
やわらかくなりやすい
炭酸飲料、ビール、お酒、アイスクリーム、果物、生卵硬くなりやすい
米飯、さといも、もち、うどん、ぱん、白身魚消化に注意
海藻類、キノコ類、れんこん、ごぼう、たけのこ、脂肪の多い肉類 - ガスへの影響
発生させやすい
栗、さつまいも、山芋、豆類、ごぼう、大根、きゃべつ、はくさい、カリフラワー、ねぎ、えび、かに、貝、ラーメン、炭酸飲料、ビール、菓子、ジュースなど発生を抑える
乳酸飲料、ヨーグルト、パセリ、レモンなど - においへの影響
においを強くする
ニラ、アスパラガス、ねぎ、にんにく、玉ねぎ、チーズ、貝、かに、えび、卵などにおいを抑える
レモン、パセリ、グレープフルーツジュース、クランベリージュース、ヨーグルトなど
食事の基本
- ・よく噛んで消化を助けましょう。
- ・腸閉塞の予防を第一にしましょう。
- ・食べすぎないようにしましょう。
- ・食物繊維は控えめにしましょう。(術後3ヶ月)
- ・体調が優れない時は、刺激物やガスのたまりやすい食品は気をつけましょう。
下痢でなく、便秘に悩み方もいらっしゃるとお聞きします。カマエイドでは、下痢・便秘に対応するレシピとして、水分の多いレシピや食物繊維が豊富なレシピなど掲載しています。無理のない範囲で参考にしていただき、少しでも美味しく楽しく食べる事のサポートができれば幸いです。